【今週のSDGs Picks】ケープペンギンの未来を救え 南ア保護施設
このニュースをシェア
【6月25日 AFP】アフリカ大陸周辺に生息するケープペンギンが、今後10年で「機能的絶滅」に追いやられる恐れがある。20世紀中に個体数が激減したケープペンギンについて、専門家が警鐘を鳴らしている。
南アフリカでは、動物保護団体「南アフリカ沿岸鳥保護財団(SANCCOB)」が、ケープペンギンなど病気やけがの海鳥を保護し、手当てやリハビリを行っている。
健康な海鳥の個体数は、海の生態系の健全さを示していると動物学者らは指摘する。ただ、SANCCOBの施設マネジャーは「残念なことに個体数はかなり減少している」とAFPに説明した。
「2015年以降、(ケープペンギンの)個体数はアルゴア湾(Algoa Bay)で90%、西ケープ(Western Cape)州では75%減少した。全体の個体数が減少していて、今後10年で機能的に絶滅する恐れが大いにある。あと10年で、というのは非常に怖いことだ」
大雨によって流されたり、死んでしまったりしたケープペンギンの巣やひなも数多い。異常気象の他にも、病気や(魚の)乱獲、汚染など、生息環境は脅威にさらされている。
SANCCOBの施設では約100羽が保護されており、ペンギンたちを最短期間で野生環境に戻すことを目的に活動が行われている。
職員の一人は、「私たちは、人間の活動によってペンギンたちが長年受けてきた被害を少しでも軽減させようと努力している」と話した。
映像は6日撮影。(c)AFP