【6月23日 AFP】英国防省の国防情報部(DI)は23日、ロシアがウクライナ軍対策としてクリミア(Crimea)半島で軍用イルカを訓練しているとみられると発表した。

 DIはウクライナ侵攻に関する最新情報として、ロシア海軍が昨年以来、クリミア・セバストポリ(Sevastopol)にある黒海艦隊(Black Sea Fleet)の主要基地の防衛に注力していると説明した。

「この一環で、少なくとも4層の網やブーム(オイルフェンス)が湾口に設置された。ここ数週間では、訓練された海獣の数を増やし、防衛がさらに強化された可能性が極めて高い」と分析している。

 さらに「画像から湾内の海獣用のいけすの数が2倍になったことが分かり、ハンドウイルカが入れられている可能性が非常に高い」とし、イルカは「敵の潜水士を攻撃する狙いがあるとみられる」と指摘した。

 2019年にはノルウェーでハーネスを着けたイルカが見つかり、ロシアにスパイとして訓練されていたのではないかという臆測が広がった。

 冷戦(Cold War)時代には、旧ソ連と米国は共にイルカを軍事利用し、潜水艦や機雷を探知し、湾や船周辺の不審物や人を発見するよう訓練していた。(c)AFP