【6月23日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は22日、ウクライナ政府が近年の国際スポーツ大会への出場を認めておらず、自国の選手に「制裁」を科していると批判した。

 昨年2月にロシアがウクライナへ侵攻して以降、ロシアとベラルーシの選手は複数の競技から除外されている。戦争が2年目に突入している中、IOCは両国の選手を中立の個人資格で大会に参加させるよう各国際競技団体に勧告。この動きが、ウクライナ選手の大会ボイコットにつながった。

 バッハ会長は、スイス・ローザンヌ(Lausanne)で開かれた第140次IOC総会でのスピーチで「柔道やテコンドーの選手権ではウクライナの選手が不在だった。それはなぜか? ウクライナ・スポーツ省からの指示で参加を認められていないからだ。言い換えればウクライナの選手は、ロシアとベラルーシ政府が開始した戦争のせいで、自国政府から制裁を科されている」と述べた。

 さらに「なぜウクライナ政府は、自国のアスリートが2024年パリ五輪の出場資格を得るチャンスとウクライナの人々が誇りに思うことを奪っているのか理解し難い。なぜウクライナの選手はテニスには出場できるのに卓球には出られないのか、なぜサイクリングはよくて競泳はだめなのか理解できない」と付け加えた。

「五輪コミュニティー全体と全世界が望んでいるのは、ウクライナの選手が国際大会で明るく輝くことだ」 (c)AFP/Coralie FEBVRE