【6月15日 AFP】1936年に制作されたオーストリア東部ブルゲンラント(Burgenland)州歌の作曲家がナチス党員だと判明したのを受け、同国の作家協会は14日、変更を要請した。

 他にケルンテン(Carinthia)、ニーダーエスタライヒ(Lower Austria)、オーバーエスタライヒ(Upper Austria)、ザルツブルク(Salzburg)各州の歌もナチス政権の積極的な支持者が作詞・作曲していたことが判明しているが、州歌を変更した例はない。

 作家協会は公開要望書で「ブルゲンラント州で生まれ育った今を生きる世代やアーティストの精神や作品」を反映した新たな州歌をつくれば「重大かつ模範的なメッセージになる」と述べた。

 歴史学者のヘルベルト・ブレトル(Herbert Brettl)氏はAFPの取材に対し、問題は歌詞ではなく、作曲家のナチス政権との関わりだと指摘。「ブルゲンラント州は歴史と向き合うべきだ」と訴えた。

 元ナチス党員が立ち上げた極右・自由党は、州歌の変更に反対している。同党は選挙を来年に控える中、世論調査で支持率首位に立っている。

 ケルンテン州のエルビン・アンゲラー(Erwin Angerer)知事は州歌について、「保護に値する文化財であり、誇り高い歴史の維持に寄与している」と述べた。

 オーストリアは1938年、ナチス・ドイツに併合された。総統アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の出身国でもある。(c)AFP