【6月15日 東方新報】中国では国際児童デーの6月1日を「児童節(こどもの日)」と呼び、子どもの成長を祝う日となっている。そして毎年この時期になると注目されるのが、子どもにプレゼントするおもちゃ。今年も時代を反映する話題が目立った。

 最近、子どもに人気のあるおもちゃの一つに「百変磁力ペン」がある。棒状のマグネットが合体したペンで、マグネットが光を放ったり、マグネットをバラバラにして人や犬の形を作ったりでき、小中学生から人気を集めている。指の上でコマのように回す「ハンドスピナー」や、実際に調理も可能な「おもちゃミニキッチン」も売れている。

 そして子ども向け商品がヒットすると、たいてい安全性の議論がセットで浮上する。百変磁力ペンは「バラバラにしたマグネットを子どもが誤飲する恐れがある」、ハンドスピナーは「子どもが指を切らないか」という声が出ている。おもちゃミニキッチンは電気調理器にフライパン、包丁など実際のキッチンと同じ用品がミニサイズでそろっているセットもあるため、「子どもには危険」という意見がある。中国では昨年度から小学校の授業カリキュラムに調理の時間が組み込まれたため、「家庭学習用」のおもちゃキッチンが多く販売されるようになった。

 おもちゃの品質に対する問題も議論されている。おもちゃ業界は零細業者が多く、製造企業や製造期日、品質合格証のいずれも明記されていない「三無製品」が少なくない。近年はインターネットでの販売をメーンにして、ヒット商品の類似品を販売する業者も増えている。中国政府は安全保護や環境保護などを⽬的とした規格「強制認証制度(CCC)」を導入しており、おもちゃ製品の合格率は一時の40%弱から現在は96%に上昇した。各地の市場監督部門は昨年以降、問題のある玩具について4371件を摘発し、2193万元(約4億2838万円)の罰金を科している。

「中国玩具・ベビー用品産業発展白書2023」によると、昨年の中国国内のおもちゃの売上額は前年比3.3%増の883億1000万元(約1兆7250億3870万円)だった。堅調と言えるが、業界内では子ども人口の減少による「将来不安」もある。中国の出生数は2017年以降減少を続けており、昨年は956万人と1949年の建国以来で初めて1000万人を下回った。

 大手コンサルタントの艾瑞諮詢(iResearch)が「親が子どもに贈りたいプレゼント」を調査したところ、「安全性」「機能性」と共に「教育性」が挙げられた。実際、インテリジェントロボット犬のような知育性のある電子機器型のおもちゃの売上額が年々増える傾向にある。

 統計によると、中国の子どもがいる家庭では収入の25%を子ども関連の消費にあてている。子ども人口は減少しているが、子ども一人当たりの支出は増える傾向にある。中国のおもちゃ業界は、これまで以上に親と子どものニーズをいかにつかむかが問われることになる。(c)東方新報/AFPBB News