【6月14日 AFP】中国海軍の訓練艦「戚継光(Qi Jiguang)」が14日、フィリピン首都のマニラ港に寄港した。南シナ海(South China Sea)をめぐり両国の緊張が高まる中、異例の訪問となった。

 戚継光は先に、ベトナム、タイ、ブルネイと東南アジアを歴訪。全長165メートルの船体が最終寄港地のマニラに入ると、音楽隊が歓迎した。

 中国の黄渓連(Huang Xilian)駐比大使は報道陣に対し、「親善訪問」だと述べたものの、詳細は明らかにしなかった。

 戚継光は2017年に就役。見学者に配布された資料では、「中国の平和的発展をめぐり、相互信頼の概念を伝える」のが目的と説明されている。

 比政府は、中国との係争海域にある駐屯地で補給任務に当たる自国の船を、中国の海警局や海軍の船が日常的に妨害したり追跡したりしていると非難している。

 フェルディナンド・マルコス(Ferdinand Marcos)氏が昨年大統領に就任して以来、中国海軍の船がフィリピンを訪れたのは今回が初めて。

 中国大使館によると、戚継光は17日までマニラに滞在し、1日2時間ずつ一般公開される。(c)AFP