【6月17日 CGTN Japanese】中国のネットメディアでは最近、深セン市(Shenzhen)の街頭で農民工(出稼ぎ労働者)の男性が即興でピアノを弾く様子が映された動画が注目を集めました。

 このピアノは、市民が無料で楽しめるように設置された「チャリティーピアノ」です。深セン市中心部繁華街の「華強北歩行街」には、このようなピアノが8台も置かれています。ピアノはいずれも、華強北街道事務所が2018年に設置したものです。事務所はピアノの補修や管理の費用も負担しています。市民が頻繁に使うため、ピアノは設置以来の5年間で3回も交換されました。ピアノは医師や教師、トレーナーなど職業や年齢を問わず、様々な市民を楽しませてきました。SNSのウィーチャット(微信)のグループを通して、市民によるチャリティーピアノ同好会も結成されました。仕事が終わった時間帯に、皆で小型演奏会を開催したこともあります。中には農民工の姿もいました。

 評判になった動画でピアノを弾いているのは、農民工の易群林(Yi Qunlin)さんです。易さんは20年以上も前に深センで仕事を始めました。今は息子の易文理(Yi Wenli)さんと一緒に建築現場で働いています。ある日、易さん親子は地下鉄の駅を通りかかった時に、誰かがピアノを弾いているのに気づきました。そして誰でも弾けるチャリティーピアノだと知りました。父親の易群林さんはピアノを弾けるので、息子の易文理さんが演奏を勧めました。易群林さんは息子に励まされて数曲を披露しました。易文理さんが、父親がピアノを弾いている動画をネットに投稿したところ、すぐさま注目を集めました。

 易群林さんは音楽が大好きで、ピアノやハーモニカを演奏できます。ピアノは幼い頃に親類の家で習ったとのことです。でも30年以上ピアノを触っていなかった彼が、深センの街で再びピアノを弾ける日が来るとは思いも寄らなかったのです。易群林さんは、「自分は農民工だから、いつも人に見くびられるのではないかと、びくびくしていた。ピアノを弾き始めた時には、人に笑われないかと少し緊張した。でも周りが拍手してくれたので、緊張感がだんだん薄れた。皆に認めてもらえたような感じがした。帰宅の道ではとても楽しくて、すべての悩みを忘れてしまったような気がした」と話しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News