【6月11日 AFP】10日に行われたサッカー欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2022-23)決勝のマンチェスター・シティ(Manchester City)戦で、インテル(Inter Milan)のロメルー・ルカク(Romelu Lukaku)はチームが下馬評を崩して優勝するための秘密兵器になるはずだったが、現実には悪夢の夜を過ごすことになった。

 現在のインテルはエディン・ジェコ(Edin Dzeko)が攻撃陣の潤滑油になり、相手のプレッシャーをかわすのを助ける役割を担っているため、ルカクはベンチスタートが基本になっている。それでも、W杯カタール大会(2022 World Cup)でベルギー代表が不本意な結果に終わった後、4月終盤からはリーグで7得点5アシストと復活の兆しを見せており、ファンも相手が疲れた後の切り札としてのインパクトに期待していた。

 しかしこの日は、ジェコに代わって投入されたもののボールを収められず、つなぎ役にもなれなかったため、チームが押し込まれる要因になった。そしてそれ以上に、チームが同点ゴールを目指す中で得点感覚もさえず、加えてうそのようなボールタッチをしてしまう場面もあった。

 68分に先制点を奪われた直後、インテルはフェデリコ・ディマルコ(Federico Dimarco)が山なりのヘディングシュートを放つと、ボールはクロスバーに当たって再びディマルコのもとへ落ちてきた。これをディマルコは再度頭で押し込もうとしたが、同点ゴール確実かと思われたシュートはコース上にいたルカクに当たってそれていった。

 試合終了直前には、ルカク自身にもチャンスがめぐってきた。しかし、ロビン・ゴセンス(Robin Gosens)の頭での折り返しをゴール前で待ち受けたルカクは、頭でゴールへ流し込むだけでよかったのが、ボールは不運にも相手GKエデルソン(Ederson Santana de Moraes)の膝に当たって得点にはならなかった。

 ルカクと前線で組むラウタロ・マルティネス(Lautaro Martinez)は「入るときもあれば、入らないときもある」とかばい、「ロメルーのヘディングをどうやってセーブしたか、相手GK自身も分かっていないはずだ。僕らは敵を苦しめ、チャンスを作ったが、勝負を決めることができなかった。それが向こうが勝った理由だ」と話した。

 マルティネスは、公式戦ここ12試合で11勝を挙げていたチームの中でも特に好調だったが、こちらも自分の夜にできなかった。

 それでもシモーネ・インザーギ(Simone Inzaghi)監督は、伊スカイ・スポーツ(Sky Sport Italia)に対して「選手のパフォーマンスをたたえたい。みんな素晴らしかった」とねぎらい、「どうしても勝ちたい決勝に敗れたのはつらいが、自分たちを誇りに思うべきだ」とコメントした。(c)AFP