【6月8日 CGTN Japanese】北京時間7日午後0時10分、「力箭1号遥2」ロケットが中国北西部の甘粛省(Gansu)にある酒泉衛星発射センターから打ち上げられ、ロケット1基で26基の衛星を軌道に投入する「1箭26星」と呼ばれる方式で、搭載された試験衛星を予定の軌道に投入しました。中国ではこれまで、ロケット1基による衛星の打ち上げは、長征8号ロケットによる「1箭22星」が最多でした。

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 今回のミッションで打ち上げられた26基の衛星は主に技術検証試験と商業リモートセンシング情報サービスに用いられます。そのうちの1基には興味深い科学実験設備が搭載されており、この設備の開発チームは宇宙空間でバイオプリンティング試験をおこなうことになっています。バイオプリンティングは、コンピューターの3次元デジタルファイルを設計図として、特製の「バイオインク」を材料に3Dプリンターで、最終的に人工器官と生物医学製品を作り出す新たな科学技術手段です。宇宙でのバイオプリンティングは微小重力や宇宙空間の放射線など環境要素が細胞や生体材料およびプリンティング過程に与える影響を考慮する必要があるため、難易度が非常に高く、現在、世界では研究の初期段階にあります。

 今回のミッションは「力箭1号」ロケットの2回目の飛行で、連続して打ち上げに成功しました。「力箭1号」の初飛行時の衛星重量は800キロでしたが、今回は1.1トンに引き上げられました。今後、複数回の飛行による経験の蓄積を経て、「力箭1号」の積載能力は徐々に最大にまで引き上げられます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News