【6月8日 CNS】近年、博物館はさまざまな技術的手段を使って、時間や空間の物理的な制約を超え、一般の人びとがオンラインでさまざまな素晴らしい展覧会を「訪れる」ことができるようにしている。

 では、オンライン博物館の魅力はどこにあるのか? 実際のところ、デジタル博物館ないしはオンライン展覧会は、特別な期間に展覧会に訪問することの代替手段として存在するのではなく、博物館の体験のための別の選択肢になっている。

 実際に博物館を訪れる際には、文化財は展示ケースに置かれ、観客とは一定の距離がある。しかしオンラインでは、観客は文化財と「触れ合う」ことができ、個別の参観が可能となる。「オフラインでは通常、2面または3面の角度しか見ることができず、さらにガラス越しであり、文化財の詳細な観察が難しい。一方、オンライン博物館では、720度の角度からみられる文化財もあり、さらに拡大縮小もできる」と、ベテランのミュージアムマニア、90後(1990年代生まれの人)の女性、柯桃(Ke Tao)さんは述べた。

 オンライン博物館では、まだ展示されていない文化財を見ることもできる。それは柯桃さんを魅了する要因の一つでもある。

 学者や関連の専門家にとって、24時間開放されているオンライン博物館は、知識と情報を得るための有効なツールだ。「ほとんどのオンライン博物館のコレクションの画像は非常に鮮明で、情報も充実している。また、講演ビデオの資料があるものもある。これで私は博物館を集中的に理解することができ、時間や空間の制約もなく、時間の大幅な節約ができる」と、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(University College London)博物館教育専攻の学生、95後(1995年〜1999年生まれの人)の梅良辰(Mei Liangchen)さんは述べた。

 柯桃さんは、こうした興味深いオンライン機能によって、より多くの知識を探求したくなった。「より多様な展示と触れ合いの形式によってオンライン博物館の参加感を強くし、文化財や文化知識を活性化させる必要がある。オンライン博物館がシェアやディスカッションの機能をつけ、コミュニティの交流と触れ合いを増やしていくことを期待している」と柯桃さんは述べた。

「将来のオンライン博物館がより先進的な技術を使って、ユーザーが博物館の魅力をより臨場感を持って体験できるようになることを望んでいる。世界には私たちが探索し、発見する価値がある歴史と文化の知識がたくさんある。私はそうしたものを各地のオンライン博物館というチャンネルを通じて見ていきたい。それは私を奮い立たせ、より広い世界を見に行くことを促すだろう」と、柯桃さんは語った。(c)CNS-中国青年報/JCM/AFPBB News