【6月7日 AFP】中国で7日、大学入試「高考(Gaokao)」が始まった。1300万人近い高校生が受験する中、白髪頭の男性がひときわ目立っていた。今年で27回目の受験に挑む梁実(Liang Shi)さん(56)だ。

 梁さんは、決して頭が悪いわけではない。工場の単純労働者として働き始め、建設資材を扱う事業で成功して財を成した。だが、ずっと一つの夢を追ってきた。高考で高得点を取り、地元の一流校、四川大学(Sichuan University)で学ぶことだ。

 この数か月間は「修行僧のような生活」を送り、夜明けとともに起き、一日12時間猛勉強してきた。

 AFPの取材に対し、「進学できなかったのが心残りだ」「大学に行って知識を身に付けたい」と話した。

 梁さんが初めて高考を受験したのは1983年、16歳の時だった。この40年で26回挑戦してきたが、希望大学の合格ラインに届かなかった。

 ネットでは、売名行為だとやゆする声もある。

「何のために?」と梁さん。「正気なら、注目を浴びるために何十年も高考を受け続ける人はいない」

 受験勉強中は酒もマージャンもやめる、と冗談めかして話す。

 2011年に高考を受験した息子からはいい顔をされていない。そして今は「無関心だ」という。

 試験が終わったら週末にはどんなお祝いをするのかという質問には、我慢していた楽しいことを再開すると答えた。

「三日三晩、友人たちとマージャンをするつもりだ」 (c)AFP/Luna LIN