【6月5日 CNS】不完全な統計ではあるものの、2023年の「労働節(メーデー)」休暇期間には、全国で40の音楽祭が開催され、17の省や地域が関与し、2022年の同時期に比べて著しい成長が見られた。

「音楽先声」の創始者の范志輝(Fan Zhihui)さんは、都市間のコンサート鑑賞が主流になるにつれ、「音楽+文化観光」のモデルは、短期間のうちに多くの人々を引きよせ、文化観光関連の消費を促進することができると考えている。

 また、これは音楽祭の知的財産(IP)を利用した都市ブランドイメージの構築にも最善な方法であり、都市の文化的魅力を向上させることができる。太合音楽集団(Taihe Music Group)の張春曉(Zhang Chunxiao)副総裁によれば、二線、三線都市が次々と音楽祭への進出の意欲を示しているという。これは多くの地方が文化観光消費を強力にけん引し、関連支援策を打ち出していることが背景にある。

「音楽祭は都市ブランド化に適している。音楽祭自体の宣伝システムを通じて都市の広報を促し、都市の影響力を高めることができる」と、中国伝媒大学(Communication University of China)音楽・録音芸術学院の張謙(Zhang Qian)副教授は述べている。また、音楽祭の若者層ユーザーは消費ポテンシャルが高く、長期的に見るとその消費促進における役割は無視できない。

 音楽祭はその開催数の増加に加え、市場の形態においても、多くの新たなトレンドが現れている。例えば、四川省(Sichuan)西昌市(Xichang)で初めて開催されたバーベキュー音楽祭は、キャンプ・バーベキューフェスティバルと野外音楽祭を融合させたものだ。さらに、中国最大規模の茶系飲料ブランドの「蜜雪氷城(Mixue)」音楽祭のように、多くの日用消費財ブランドが音楽祭市場に参入し、ブランドと同名の音楽祭イベントを開催している。

「音楽祭は、文化観光産業の壁を打破するための重要なエンジンになっている。音楽祭が行われた多くの場所は、参加者が写真を撮りたいと思う重要なスポットとなっている。こうした写真はソーシャルメディアで二次拡散される。同時に、音楽祭は友人の集まりや社交の重要な場所でもあり、若者同士は、ライブの儀式感あふれるシーンを通じ、より多くの情緒的コミュニケーションとふれあいができる」と、張謙副教授は述べている。

「音楽祭は文化観光産業の壁を打破する一助になるが、演出会社や文化企業、業界関係者の力だけに頼ることはできない。地方政府や管理部門など関連部門の強力な支持、さらに他の業界やブランドの参加が必要だ。多くの関係者が協力し合ってこそ、地方の文化観光消費市場を迅速に活性化させ、アップグレードさせることができる」と、張春曉副総裁は述べている。(c)CNS-経済日報/JCM/AFPBB News