【5月22日 CNS】2022年に、中国の自主開発デジタルゲームの海外市場規模は1000億元(約1兆9639億円)を超えた。中国のゲームは数億人の海外プレイヤーに影響を与え、デジタルコンテンツの海外展開で最も輝かしいものとなった。中国本土から海外に至るまで、多くのゲーム製品が中国の要素を取り入れ、世界のプレイヤーたちに中華文化を紹介している。

 1994年に最初の中国産ゲームが登場して以来、中国国内の市場規模はゼロから成長してきた。その規模は、2021年には2965億元(約5兆8231億円)に達し、約10年間で約5倍もの成長を遂げた。中国のゲームの台頭は、国家の総合力の不断の強化の結果でもある。

 北京師範大学(Beijing Normal University)アート・メディア学院の何威(He Wei)教授はインタビューで、中国のゲーム製品が海外市場で成功を収めてきた背景には多くの要因があり、第一に、国産ゲームの品質が向上し、多くの海外プレイヤーの娯楽ニーズを満たすことができた点にあると述べている。

 次に、アメリカ、日本、韓国、ヨーロッパなどの国・地域の国内ゲーム企業の多くが、主にコンソールゲームやPCゲームに重きを置いている一方、中国のゲーム企業は海外のモバイルゲーム市場に積極的に進出し始めた。正確な位置づけと市場の細分化を行い、中国国内の激しい競争の中で形成されたモバイルゲーム製品の収益モデルの革新的な手法を活用し、ローカライズされた運営を進めることで、ライバル企業に打ち勝ってきた。

 第三に、一部の中国のゲーム製品は海外プレイヤーにとって、文化的に異質な新奇性があり、テーマ、プレイスタイル、ストーリーテリング、オーディオビジュアルなどの側面から新鮮な体験をもたらしているため、人気を博している。

 第四に、南米や中東などの新興市場では、中国国内で成熟しているが、現地ではまだ希少なゲームのジャンルやプレイスタイルを、現地の文化やストーリーに組み入れることで、急速に普及させている。

 中国のゲームが海外で成功を収めるのは、技術的なサポートだけでなく、文化的な自信もある。中国のゲームブランドの莉莉糸遊戯(Lilith Games)が制作したゲームには、豊かな中国の文化要素が随所に見られる。最も典型的な例は、リリスが中国の歴史や神話をベースにしたゲームキャラクターを複数のゲームで直接登場させたことだ。また、ゲームのシーン設定にも特に注力しており、さまざまな中国風の要素を「さりげなく取り入れた」。たとえば、三星堆の象徴的な遺跡をゲームに組み込むことで、古代蜀の文明をゲームの世界で再現している。

 これらの中国の伝統文化に基づき、現代の科学技術を用いて表現されたゲームのキャラクターやシーンは、文化伝播の重要な手段となり、ゲームの世界を通じて世界のプレイヤーに中国のストーリーを伝えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News