【6月2日 AFP】米国のアントニー・ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は2日、訪問先のフィンランドで演説し、ウクライナ侵攻はロシアにとって戦略的失敗となったと指摘するとともに、真の平和に向けて不可欠となるのは強いウクライナだと強調した。

 フィンランドはロシアのウクライナ侵攻を受けて歴史的な政策転換を図り、北大西洋条約機構(NATO)に加盟した。

 首都ヘルシンキで演説したブリンケン氏は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が起こした戦争は「失敗例」だと指摘。「プーチン大統領の長期的戦略目標と方針を考えれば、疑問の余地はない。侵攻以前と比べ現在のロシアははるかに悪い状況に置かれている」と述べた。

「ロシア大統領府は常々、ロシア軍は世界で2番目に強いと主張し、多くの人がそれを信じていた。今日では、ロシア軍はウクライナ国内では2番目に強いと多くの人が認識している」と話すと、聴衆からは含み笑いが漏れた。

 さらにブリンケン氏は、「われわれはプーチンの野望に幻想を抱いてはいない。だからこそ、意義ある外交と真の平和に向けて不可欠となるのは、将来の侵略行為に対する抑止と防衛が可能なより強いウクライナだと信じている」と述べ、「ウクライナの国力強化を支援することは、外交の軽視には当たらない。その道を開くものだ」との考えを示した。(c)Shaun TANDON