中国の「エコバッグ院士」 受賞後に謎の退場
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【6月4日 CGTN Japanese】2022年度上海市科学技術賞がこのほど授与されました。その中で唯一、「科学技術功労者賞」を受賞したのが、中国科学院院士(院士は中国科学院および中国工程院の会員。学術における中国最高の称号)で上海復旦大学化学・材料学院教授の趙東元(Zhao Dongyuan)氏です。同賞は上海の科学技術者に対する最高の奨励でとても価値の高いものです。趙教授は授賞式で自分の研究について説明した後、小走りで立ち去りました。
趙教授が授賞式直後に姿を消したのは今回が初めてではありません。2021年11月に趙教授が率いたチームが2020年度国家科学技術賞の国家自然科学賞の一等賞を受賞しました。同賞は中国の自然科学分野における最高の賞で、選考が極めて厳しいため、長年受賞者はいませんでした。趙教授は受賞後、証明書を手持ちのエコバッグに入れ、翌朝急いで上海に帰りました。理由は学部生への講義があるからです。
今回も同様に、趙教授は学部生に「普通化学」の講義をするため急いで授賞式の場を後にしました。趙教授は「遅刻してはいけない。学生たちが待っている。5分遅れると『教育事故』だ」と話しました。
「遅刻してはいけない」講義を、趙教授は学部生を対象に20年間続けてきました。2003年以降、週2回の講義。出張してもできるだけ講義の前夜に帰るのが、長年の習慣になっています。(c)CGTN Japanese/AFPBB News