【5月30日 AFP】米カリフォルニア州プレーサービル(Placerville)の川で、アルバート・ファウゼルさんは数十年にわたり砂金を探し続けてきた。それが最近、大雨が降ったおかげで作業はこれまでになく容易になり、採取量も増加した。

「今年は新しいスポットが多い」。ファウゼルさんはウエットスーツとシュノーケルを身に着け、水に膝まで漬かって立ちながら語った。

 AFP記者が取材で訪れた際、小さなシャベルを手に水に潜り、川底の隙間を掘っていたファウゼルさんは、10分もたたないうちに砂金を見つけて水面に再び姿を現した。

 プラスチックのトレーに乗った粘土と砂の中で、一目で砂金だと分かる粒が、強い真昼の太陽に照らされ輝いていた。

「母なる自然は洪水という作用によって素晴らしい仕事をしてくれた」と、ファウゼルさん。

 川岸近くで「少量の金」が採取できたのだから、川の中ほどでは「大物がたくさん見つかるだろう」と予想する。

 ファウゼルさんは吸引ポンプのような器具で砂金を吸い集めた。それからシュノーケルを身に着け、川に戻っていった。

■洪水の恩恵

 カリフォルニア州は今冬、例年になく雨が多く、過去最高に近い水準の雨量を記録した。北部では豪雨により、規模は小さいものの、エルドラド(黄金郷)を夢見て数千人が押し寄せた19世紀のゴールドラッシュがよみがえったような光景が出現した。

 豪雨で流れが急になった川は岸を侵食、泥と砂金をはぎ取った。砂金は下流に運ばれ、幸運な採取者にすくい上げられるのだ。
 
 豪雨による砂金採取量の増加について、地質学者のバロン・ブランドン氏は「砂金採取のための大型装置のような役割を果たしている」と話した。

 自身も夏には趣味で砂金を採取している。「(金に相当するような)本当の宝は、ここにいられるということだね」と、顔をほころばせた。