【5月26日 CGTN Japanese】格付け大手のフィッチ・レーティングスは現地時間24日、党派間の争いにより米連邦政府の借入額が法律上の上限に達して資金繰りに行き詰っている問題を理由に、米国債の信用度を格下げ方向で見直す「ネガティブ・ウオッチ」に指定しました。

 フィッチは「米連邦議会の共和党と民主党の対立の高まりは、債務上限の引き上げや凍結の決定を妨げている。米政府は中期財政の問題に効果的に対応できず、赤字と債務負担が絶えず高まっている。これらは米国債の信用が低下するリスクを示している」と表明しました。

 フィッチはさらに「民主党と共和党は最終的に債務の上限の引き上げに意見の一致に達すると考えるが、適切な時期に合意に至らないリスクが高まっている。期限までに債務の上限について意見を一致させられないことはマイナスのシグナルであり、米国のガバナンス全体や、債務の支払いを滞らせることは最高格付けの『AAA』にふさわしくないことを示す」と説明しました。

 米国メディアによれば、フィッチの警告は、「AAA」である現在の米国の信用評価が引き下げられるリスクを意味します。格付け会社のムーディーズ・インベスターズ・サービス(MCO)のチーフエコノミストであるマーク・ザンディ氏はこのほど、「両党が近日中に合意できなければ、金融市場は一層大きなダメージを受けることになる。米国債の信用格付けが引き下げられた場合には、実体経済の幅広い格下げが誘発されることになる。そのことによる混乱は予想不能だ」と述べました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News