■ゴールドラッシュ

 州都サクラメントから約70キロ離れたプレーサービルは、ゴールドラッシュの歴史を中心とした観光業に依存している。

「エルドラド・フリーウエー」と名付けられた街の目抜き通りには、金関連の店舗が点在する。

 ある玩具店では、プラスチックの鉱山用ヘルメットやミニチュアの砂金採取道具が展示棚の半分を占めていた。ホテルには19世紀の家具や古い写真などが置かれ、往時の雰囲気が今も漂う。

 ファウゼルさんは、砂金採取道具や金属探知機を扱う店を経営している。「カリフォルニアに来て、自分の手で砂金を見つけてください。チャンスは誰にもある。ただしルールには従って」と語った。

■「非常に豊かだった」

 ユーチューブ(YouTube)チャンネルで数百万回再生された投稿の主である地元のトレジャーハンター、マーク・デートンさんは、大勢のフォロワーが大雨の情報を耳にし、現地に向かっていると話した。

 砂金で一獲千金を手にすることに強い関心が集まっているのは、海賊の財宝などをテーマにした「インディ・ジョーンズ(Indiana Jones)」や「パイレーツ・オブ・カリビアン(Pirates of the Caribbean)」といった映画の影響もあると、デイトンさんは解説した。

 プレーサービルの人気観光スポットの一つがゴールド・バグ・パーク&マイン(Gold Bug Park and Mine)だ。学校の体験学習ツアーの目的地にもなっている。

「子どもたちは金に強い興味を持っている。カリフォルニアは金によって発展した」。金採掘をなりわいにしてきたボランティアガイドのパット・レインさんは、こう話した。

「私たちが伝えようとしているのは、ハリウッドが描くゴールドラッシュではなく、真の歴史だ」

 かつて金鉱山だった場所に隣接する川の支流のそばに立ち、レインさんは来訪者にこう説明した。「この小川のちょうどここ、私たちが立っている場所で、数百人が働き、金を採取していました」「ここは非常に豊かな場所だった。何百万年間も、母なる自然が川に砂金を運んできたのです」

 この冬の大雨で、再び条件が一気にそろった。レインさんは「水が動けば金も動く」とまとめた。(c)AFP/Paula RAMON