ビニシウスへの人種差別行為、母国ブラジル政府が抗議
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【5月23日 AFP】サッカーブラジル代表でスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するビニシウス・ジュニオール(Vinicius Junior)が、試合中に人種差別的暴言を受けたため、ブラジル政府は22日、駐ブラジル・スペイン大使に抗議し、同国マドリードの当局に正式な不服を申し立てると明かした。
レアルが0-1で敗れた21日のバレンシア(Valencia CF)戦で、クラブのスター選手であるビニシウスが敵地サポーターから人種差別的な暴言を浴びて以降、同選手の母国ブラジルでは非難の声が相次いでいる。
同国政府によると、アニエル・フランコ(Anielle Franco)人種平等相がスペインのプロリーグを管轄するラ・リーガ(La Liga)や当局などに対し、正式に不服を申し立てるとしている。また外務省関係者はAFPに対し、政府が駐ブラジル・スペイン大使に抗議したと明かした。
政府は声明文で「人種差別的行為の再発を防止するための、効果的な措置がいまだ取られていないことは甚だ遺憾である」と述べた。
スペイン当局に「加害者を処罰し、再発の防止」を求めるとともに、国際サッカー連盟(FIFA)やスペインサッカー連盟(RFEF)、ラ・リーガには「必要な措置」を取るよう促している。
ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)大統領はこの差別行為を非難しており、これをきっかけに同国代表選手のネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)やリシャルリソン(Richarlison)、元代表選手のロナウド(Ronaldo)氏らからも支援の声が上がっている。
リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)にあるコルコバードのキリスト像(Christ the Redeemer)は、ビニシウスへの連帯の意を込め、22日に1時間ライトアップを取りやめた。(c)AFP