ロシア企業、湾岸マネーに熱視線 会合で投資呼び掛け
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【5月21日 AFP】ウクライナ侵攻で西側による制裁や外国企業の撤退に直面するロシアは、ペルシャ湾(Persian Gulf)岸産油国の投資家に自国への投資を呼び掛けている。
アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビでこのほど開催された年次投資会合では、ロシア政府が投資の好機だと訴え、ロシア企業は湾岸マネーを取り込もうと特設パビリオンに出展した。
ロシア経済発展省のパベル・カルミチェク(Pavel Kalmycheck)氏は「アラブをはじめ、あらゆる投資家を呼び込むためにやって来た」と述べた。
ウクライナ侵攻をめぐり、西側諸国にはロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が孤立したように映っているが、サウジアラビアとUAEは中立的な立場を保ってきた。
ロシアの富裕層は西側による制裁の影響を回避するため、UAEに殺到してビジネスを展開。不動産購入ではロシア人が最大の顧客になっている。
会合で演説したマクシム・レシェトニコフ(Maksim Reshetnikov)経済発展相は、中東・北アフリカとの協力は「ロシアの外交・経済政策の優先課題の一つだ」と述べた上で、「共同プロジェクトを始める時だ」と訴えた。
さらに湾岸諸国の「独立した外交政策」を評価するとともに、「ロシアにとって信頼できるパートナーだ」と称賛。貿易を促進するため、制裁の影響を回避できる「独立した金融・銀行システム」の創設を呼び掛けた。
デニス・マントゥロフ(Denis Manturov)副首相によると、ロシアとUAEの昨年の貿易額は前年比68%増の90億ドル(約1兆2000億円)に達した。
■「競争優位性」
ロシア代表団は会合で、西側の制裁にもかかわらずモスクワは依然、世界最大級の都市経済圏であり、主要な投資先だとアピールした。
モスクワ市外交経済局長のセルゲイ・チェレミン(Sergey Cheremin)氏は投資家に向けた演説で、「制裁下の困難な時期にあるが、モスクワにはいくつもの競争優位性がある。ロシア市場に参入するための入り口だ」と述べた。
またロシアのパビリオンでは起業家のマクシム・アニスモフ氏が、ロシアで設計・製造された3D印刷技術を披露した。アニスモフ氏はAFPに対し、「発展中のこの地域には多くのビジネスチャンスが存在する」と語った。
UAEのエンジニア、アドナン・ニムル・ザルーニ氏は、パビリオンでの展示を見た後、ロシア企業への投資を検討する考えを示し、「多くの素晴らしいチャンスがある。鉱業や畜産、エネルギー、農業、技術力に富み、高度な技能を持ったプログラマーも存在する」と評価した。
コンサルティング会社ハリージエコノミクス(Khalij Economics)の幹部ジャスティン・アレクサンダー氏によると、湾岸地域の政府系ファンドは過去10年間、ロシアへの投資を拡大してきた。ただ、「これらの投資は西側に比べて小規模にとどまっている」という。
