【5月12日 AFP】暴力事件が多いことで知られる中米エルサルバドルのナジブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は11日、2019年の就任以来、殺人事件が1件もなかった日が365日に達したと宣言した。

 ブケレ大統領は約1年前、組織犯罪との「戦争」と、非常事態を宣言。これにより、これまでにギャングと疑われる6万8000人以上が令状なしで拘束された。

 ブケレ氏はツイッター(Twitter)への投稿で「2023年5月10日は、全国の殺人件数ゼロだった。これで365日、丸1年、殺人事件がない」と主張した。

 この数字について大統領府報道官はAFPに対し、連続した日数ではなく「2019年以降、殺人が起きなかった日の累計」だと説明。ブケレ氏の政策によって「エルサルバドルは世界で最も暴力的な国から、中南米で最も安全な国に変わった」と述べた。

 ブケレ氏は2019年6月1日に大統領に就任。この年の人口10万人当たりの殺人件数は38件だったが、22年には同8件以下にまで減少している。

 ただしNGO人権委員会(Human Rights Commission)のコーディネーター、ミゲル・モンテネグロ氏はAFPに対し、信頼できる情報があれば称賛に値するところだが、数字を裏付ける「完全な情報」がないため「疑念が残る」と述べた。(c)AFP