【5月12日 AFP】国連児童基金(ユニセフ、UNICEF)は11日、ギャングによる暴力がまん延するハイチで、重度の急性栄養失調に陥る子どもの数が昨年の8万6000人から30%増の11万5000人となったと明らかにした。子ども10万人以上の命が危険にさらされていると警告している。

 ユニセフは声明で、「ハイチでは武装勢力による暴力で、重度の急性栄養失調(SAM)に苦しむ子どもの数が急増している」と指摘した。

 ハイチでは2021年7月、武装集団によってジョブネル・モイーズ(Jovenel Moise)大統領が暗殺されて以降、政治的・経済的な危機に見舞われている。首都ポルトープランスの大部分は、ギャングの支配下にある。

 ユニセフ・ハイチ事務所のブリュノ・マエス(Bruno Maes)代表は「コレラの流行と相まって、重度の急性栄養失調に苦しむ子どもが増えている。早急に対策を講じなければ死に至る」と警告した。

 ハイチでは昨年10月からコレラが再流行している。コレラと疑われる事例は4万1000件を超えており、うち半数は14歳以下の子どもだという。

 ユニセフは危機対策として、食料の購入費や医療費を含む1700万ドル(約22億8400万円)の緊急支援が必要だとしている。(c)AFP