【5月11日 AFP】米国のメリック・ガーランド(Merrick Garland)司法長官は10日、ロシアのオリガルヒ(新興財閥)から押収した資産を初めて、ウクライナ復興資金に充てたと発表した。

 譲渡されるのは、ロシアのオリガルヒ、コンスタンチン・マロフェーエフ(Konstantin Malofeyev)被告から押収した資産約540万ドル(約7億2000万円)。米国務省に譲渡され、「ロシアの不当な戦争による被害を救済する」ウクライナ支援金として使われる。

 銀行、通信、メディア業界で財を築いたマロフェーエフ被告は、2014年のウクライナ東部紛争とロシアによるクリミア(Crimea)半島併合をめぐる米国の対ロ制裁に違反したとして、2022年4月に起訴された。マロフェーエフ被告は、ウクライナ東部の親ロシア派分離主義勢力の主要な資金源だったとみられている。

 起訴に伴い、同被告の資産540万ドルは米政府の管理下に置かれた。

 米当局は2014年のウクライナ東部紛争と2022年以降のウクライナ侵攻に関連し、複数のオリガルヒの資産の差し押さえを命じている。ガーランド氏は「米国が押収したロシアの資金がウクライナ復興に充てられるのは今回が初めてだが、これが最後とはならないだろう」と述べた。(c)AFP