ソウルの映画館でチケットを予約する客(c)MONEYTODAY
ソウルの映画館でチケットを予約する客(c)MONEYTODAY

【05月10日 KOREA WAVE】韓国映画の不振が際立っている。固定したファンを持つ俳優パク・ソジュンとIUが主演を務めた「ドリーム」も韓国国内のボックスオフィス(興行収入)1位でスタートを切ったが、封切り4日目にして日米合作「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」に1位の座を明け渡した。今年第1四半期(1~3月)の韓国映画の売上高は798億ウォン(1ウォン=約0.1円)で、新型コロナウイルス以前の2019年同期(2994億ウォン)の約4分の1に減少した。

韓国映画が週間/週末ボックスオフィス1位を占めたのは映画「対外秘」(9週目)が最後だ。その後は日本の「すずめの戸締まり」と米国の「ジョン・ウィック:コンセクエンス」などにトップを譲った。米国のマーベルシリーズ「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME3」が3日に公開され、しばらく韓国映画が週間/週末ボックスオフィス1位を占めることは難しいと見られる。

今年5月までに封切りした主要韓国映画で観客100万人を超えたのは「交渉」だけ。ある関係者は「1000万も入ったのは昔話だ。観客100万人を超えるのも容易ではない」と吐露した。

映画産業が全般に不振だという声もある一方で、コンテンツに競争力があれば観客は集まる、という指摘もある。

映画「ジョン・ウィック:コンセクエンス」を見に来た20代女性は「評判が良くて期待していた。チケットは安くないし、すぐに配信サービスに上がってくるかもしれないが、これは劇場で見たかった」と話した。

また「すずめの戸締まり」を映画館で2回見たという20代男性は「映画のクオリティが高ければ観客は劇場へ足を運ぶ」と述べた。

大衆文化評論家のキム・ホンシク氏は「韓国映画産業の危機だ。中小規模映画を増やさなければならない」と分析する。

韓国映画の興行で重視されてきた有名俳優・有名監督・大ヒット作頼みからの脱却を提言したうえ「製作費をあえて多く使う必要はない」と強調した。

(c)MONEYTODAY/KOREA WAVE/AFPBB News