中日友好都市第1号が手を携えて共に進んできた秘訣は何か
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【1月16日 CNS】2023年は、中日間の最初の友好都市である天津市(Tianjin)と神戸市の友好都市提携50周年にあたる。日本神戸国際コミュニティセンター(KICC)天津代表処の高橋健司(Kenji Takahashi)首席代表は取材で、両市の人口、面積、経済規模などの自国での位置づけが似ていることから、提携以降も多分野で活発な交流が続いていると述べた。都市間の交流で最も重要なのは人と人とのふれあいであり、上層部の交流だけでなく、各界の人びとの相互訪問も数多く行われることだという。
神戸と天津間の最も代表的な交流の一つは、1984年に神戸市港湾局の鳥居幸雄(Yukio Torii)局長を団長とする、団員12名のコンサルタントチームが2年間で7回天津を訪問して行った、天津港の緊急改修に向けた中長期計画の策定の支援だ。双方は多くの困難を乗り越え、最終的にはスムーズに進めることができた。現在、両市は教育、スポーツ、文化などの分野で交流を続けているほか、環境保護や医療などの分野でも相次いで協力関係を結んでいる。
現在、両市は医療分野で多くの交流・連携を進めており、神戸市は20年以上かけて「神戸医療産業都市(KBIC)」構想(神戸市のポートアイランドに病院や研究機関、企業など医療関連機関が集積する医療産業クラスター)を構築している。両市の提携45周年を迎え、天津で医療関連のシンポジウムが開催された。会議では、神戸医療産業都市や国際医療交流の推進に関する情報が発表された。その後、天津医科大学(Tianjin Medical University)と神戸大学(Kobe University)との間で協力協定が締結された。神戸市は、神戸医療産業都市、スマートシティ、カーボンニュートラル、水素エネルギーなどの開発を進めており、これらはいずれも天津市の重点開発分野と多かれ少なかれ重なる部分がある。
一方、動物を通じた交流も大切な要素だ。1981年、神戸ポートアイランド博覧会の際にジャイアントパンダ2頭が天津に貸し出され、1992年には中日初の共同飼育研究のためにキンシコウが天津から貸し出された。現在までに中日間の動物交流は30種類以上に達した。
これまで5周年ごとに、両市の市長を団長とする訪問団の相互訪問が行われてきた。天津の神戸園の開園と定期船の就航式(提携15周年)、神戸での大理石の浮き彫り「百龍嬉水」と中国清時代の宮殿造営方式を取り入れた建物「連翼亭」の建設(提携20周年)、神戸空港からの特別便による天津訪問(提携35周年)などがあげられる。近年、両市では経済、環境、防災、医療などの都市問題を解決するための企業によるシンポジウムを継続的に開催しており、両市の交流が「モノ」の交流から、双方の現実的な問題に取り組む「コト」の交流へと移行していることを示している。(c)CNS/JCM/AFPBB News