【4月22日 AFP】第2次世界大戦(World War II)中にフィリピン沖で米軍に撃沈された日本の輸送船「もんてびでお丸(Montevideo Maru)」の残骸が、水深4000メートル以上の海底で発見された。海洋考古学グループ「サイレントワールド財団(Silentworld Foundation)」が22日、明らかにした。

 もんてびでお丸は1942年7月1日、捕虜の移送中と把握していなかった米潜水艦の魚雷攻撃を受けて沈没。豪史上最悪の海難事例となり、豪州人約979人が死亡した。うち少なくとも850人が兵士だった。

 サイレントワールド財団によると、他に13か国の民間人抑留者も同乗しており、合わせて約1060人が死亡したとされる。

 アンソニー・アルバニージー(Anthony Albanese)豪首相はソーシャルメディアで、「もんてびでお丸で犠牲になった人々が眠っている場所がようやく発見された」「乗船していた1060人の中には、豪兵850人がいた。彼らは若くして命を絶たれた」と述べた上で、「きょうの知らせが、ずっと祈り続けてきた家族にとって慰めとなるのを願っている」と続けた。

 調査隊は今月6日、フィリピン・ルソン(Luzon)島北西沖の南シナ海(South China Sea)で捜索を開始。水中音波探知機付きの自律型無人潜水機などのハイテク機器を駆使し、わずか12日後に沈没船らしき物体を発見した。

 豪軍の協力の下、オランダの海洋調査会社フグロ(Fugro)と共同で捜索を行ったサイレントワールドのジョン・マレン(John Mullen)代表は、「もんてびでお丸の発見で、オーストラリアの軍事・海事史の悲惨な一つの章に区切りが付けられる」と述べている。(c)AFP