【4月23日 CNS】中国の越境ECは近年盛んになっている。中国税関によると、越境ECの輸出入総額は、2018年の1兆元(約19兆円)から2022年には2兆1100億元(約41兆円)に増加した。

 最近、多くの国で海外渡航制限が緩和されたことによって、今年の中国の越境ECは新たな段階を迎えており、どのようにして海外進出をしていくかが、業界の共通の関心事となっている。

 中国越境EC博覧会の創設者である阮衛星(Ruan Weixing)氏は「グローバル化が重要なキーワードである」と述べる。

 過去3年間のコロナの影響を受けて、世界の越境ECのエコシステムも大きな変化を遂げた。中国のIT企業、福建米多多(Midoduo)ネットワークテクのゼネラルマネージャーである鄧海(Deng Hai)氏は、「デジタル化は注目に値するもう一つのトレンドだ」と話す。近年の開発動向を踏まえると、越境ECの次の発展は、プロセス全体のデジタル化によってもたらされる可能性があると考えている。

 中国の越境ECが迎えた海外への進出という次のステップには新たな課題もある。

 まず、リスクに抵抗する能力を向上させる必要があるだろう。業界関係者によると、ポスト・コロナ時代に、越境EC企業は、顧客獲得の競争から、顧客獲得と変革、配送、経営の総合的な競争の段階に入っている。この点で、越境ECは、不確実なリスクに抵抗する能力を高め、注文の受注、商品の配送、および支払いの受け取りを効率化するために努力しなければならないだろう。

 第二に、製品の品質改善が必要だ。鄧氏によると、中国の越境ECは徐々に標準化された発展に向かっている。これまで越境ECは、低価格な商品をウェブマーケティングで売りさばくモデルだった。しかし、ウェブマーケティングだけで売れる時代は過ぎようとしており、中国の越境EC製品の品質向上が期待されている。

 第三に、新しい貿易ルールへの対応が必要だ。 福建薈源文化発展集団の会長である陳丹鋒(Chen Danfeng)氏は、地域的な包括的経済連携協定(RCEP)が発効したことにより、中国の越境ECにも投資と貿易の自由化や円滑化の恩恵がもたらされたと指摘する。しかし、それには新たな挑戦も伴う。中国の越境ECは、コンプライアンス意識をさらに高め、RCEPに対応していく必要がある。(c)CNS/JCM/AFPBB News