■コロナ禍の副産物

 バルスキーさんは再び旅に出ることを切望しているが、個人的にはコロナ禍も悪いことばかりではなかったと思っている。2020年9月に開設したティックトックのアカウントは、その数年前から開設していたインスタグラムよりも多くのフォロワーをすぐに獲得できた。

 移動制限が撤廃され、再び対面で人と合うことができるようになると、編み物クラブの規模はかなり拡大した。移動制限期間中に編み物を始めた人が多かったからだ。

 編み物や縫い物はコロナ禍の最初の数か月間、家に閉じ込められた人が退屈や不安と闘う手段として、パン作りや陶芸と同じように注目された。

「DCメン・ニット」のメンバーにはそれぞれ目標がある。

 スロウさんにとって編み物とは「現代的で便利」な芸術を取り戻すことだ。

 一方、ゲーム好きのデブリン・ブレッケンリッジさん(48)は「ゲームで何かを殺すのではなく、もう少し創造的なことをしたかった」と話す。編み物はそれにぴったりだったと言う。

 元公務員で現在は引退しているマイケル・マニングさん(58)は、編み物の繰り返しの動作が「とてもリラックスできる」と語った。(c)AFP/Valentin GRAFF