【4月15日 AFP】昨年、英国のチャールズ国王(King Charles III)に卵を投げ付けたとして脅迫行為の罪に問われた男子学生に対し、イングランド北部ヨーク(York)の治安判事裁判所は14日、有罪判決を言い渡し、100時間の無償の社会奉仕活動を命じた。

 チャールズ国王は昨年11月9日、ヨーク大聖堂(York Minster)でエリザベス女王(Queen Elizabeth II)像の除幕式に出席するため、カミラ王妃(Queen Consort Camilla)と共に同市を訪問。市民と交流していた際に、パトリック・セルウェル(Patrick Thelwell)被告(23)に「少なくとも5個の卵」を投げられた。

 セルウェル被告は法廷で、「低レベルの暴力」の行使は「国家による暴力」に対する正当防衛で「法にのっとった行為」だと主張し、違法性を否定していた。

 これに対して首席治安判事は、「チャールズ国王に今にも非合法の暴力を受けると思わせることを意図した」として、有罪と判断した。

 裁判での証言によると、国王夫妻が聖職者や地元の名士らに歓迎を受けていた際に、セルウェル被告は国王を狙って卵を5個投げ、「もう少しで国王に当たる」ところだったという。

 セルウェル被告は警察に身柄を拘束されるまで、「この国は奴隷の血の上に築かれた」「私の王ではない」と叫んでいた。群衆からは、「国王陛下万歳」とたたえる声や、同被告に対して「恥を知れ」という非難の声も上がっていた。(c)AFP