【4月13日 AFP】コロンビア政府は12日、ヘンリー・サナブリア(Henry Sanabria)警察長官を更迭した。同氏は先月、麻薬王や犯罪者との戦いにおいて、悪魔払いと祈りを活用していると発言し、物議を醸していた。

 敬虔(けいけん)なカトリック教徒のサナブリア氏は、人工妊娠中絶やコンドームの使用に反対する姿勢も示していた。コロンビアはカトリック教徒が多数を占めるが、世俗主義で、中絶は合法とされている。

 グスタボ・ペトロ(Gustavo Petro)大統領はツイッター(Twitter)に、「ヘンリー・サナブリア長官の(コロンビア警察への)貢献に感謝する」と投稿したが、更迭の理由には言及しなかった。

 匿名を条件に現地メディアの取材に応じた警察職員は、サナブリア氏は修養会に参加するよう部下に強く勧めていたと語った。

 サナブリア氏は最近、2人が死亡し、警察官78人が数日にわたり人質に取られる事態に発展した石油会社に対する抗議デモの責任を追求されていた。

 ただ、政府高官によると、デモ対応や宗教的信条が更迭の理由ではない。アルフォンソ・プラダ(Alfonso Prada)内相は、コロンビアでは公務員を含む全ての人に表現と宗教の自由が認められていると強調した。

 サナブリア氏は先月、週刊紙「セマナ(Semana)」に、過去50年にわたる内戦において、警察が悪魔払いなどの宗教的行為に助けられてきたと主張していた。(c)AFP