【4月12日 AFP】大手芸能プロダクション「ジャニーズ事務所(Johnny & Associates)」にかつて所属していた男性が12日、創業者の故ジャニー喜多川(Johnny Kitagawa)さんから繰り返し性被害を受けていたと記者会見で明らかにした。喜多川さんの疑惑の行為が公の場で告発されるのはまれ。

 告発したのは、現在歌手として活動しているカウアン・オカモト(Kauan Okamoto)さん(26)。

 東京の日本外国特派員協会(FCCJ)で記者会見に臨んだオカモトさんは、初めて性被害を受けたのは15歳の時で、2016年に退所するまでの4年間に「15〜20回」被害に遭ったと述べた。

 AFPはジャニーズ事務所に対し複数回コメントを求めたが、回答は得られなかった。日本外国特派員協会も取材を申し入れたものの、返信はなかったとしている。

 オカモトさんは自身と同時期に活動していたデビュー前の「ジャニーズJr.」の「100〜200人」のうち、ほぼ全員が喜多川さんから性被害を受けていたと考えているとし、他の被害者にも全員名乗り出てほしいと話した。

 オカモトさんによると、売り出し前のジャニーズJr.メンバーが、ジャグジーやバー、カラオケ機器がある喜多川さんのペントハウスに宿泊することはよくあることだった。

 初めて被害に遭った日は、ベッドに入ってきた喜多川さんに性器を触られた後、口淫をされた。翌日喜多川さんは、オカモトさんに説明なく1万円を渡したという。

 喜多川さんをめぐっては以前から、未成年者への虐待および性的搾取の疑惑があったものの、そのほとんどが匿名の告発で、生前に検挙されたことは一度もなかった。

 オカモトさんは、喜多川さんに対する法的措置は考えておらず、「ジャニーさんのおかげで人生が変わった」と謝意を表した一方で、「ジャニーさんが当時15歳の僕や、そのほかのジュニアに対して性的行為を行ったことは悪いこと」だと思っていると述べた。

 またオカモトさんは、喜多川さん自身が明言したことはないとはいえ、メンバーの間には、喜多川さんの誘いを拒否すれば成功の機会が失われるという共通認識があったと指摘している。(c)AFP/Tomohiro OSAKI