仏大統領の「台湾関係ない」発言、中国つけ上がらせる恐れ 欧米で物議
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■「戦略的ナンセンス」
米ホワイトハウス(White House)は10日、フランスとは「素晴らしい二国間関係」を築いていると表明し、事態の沈静化を図ろうとした。
だが、共和党のマルコ・ルビオ(Marco Rubio)上院議員はネットに投稿した動画で、「マクロン氏が全欧州を代表し、台湾をめぐって欧州は米中いずれの側にも付くつもりはないと言うのなら、わが国も(ロシア、ウクライナ)いずれかの側に付くのをやめて(欧州に)ウクライナ問題を任せるべきかもしれない」と訴えた。
同じく共和党の有力者、リンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員はマクロン氏の訪中について、「中国共産党と習近平(Xi Jinping)国家主席をつけ上がらせるものだ。その習氏は、世界秩序の書き換えと台湾の武力併合に執心しているようだ」とツイッター(Twitter)に投稿した。
シカゴ国際問題評議会(Chicago Council on Global Affairs)代表で、バラク・オバマ(Barack Obama)元大統領の顧問を務めたアイボ・ダールダー(Ivo Daalder)氏も、「ウクライナ紛争のような欧州の危機に対処するためにマクロン氏が米国の安全保障義務に頼ることに問題は全くない」と指摘。その一方で、欧州は無関係の危機に巻き込まれるべきではないと言い張るのは「『戦略的自立』ではない。『戦略的ナンセンス』だ」とツイートした。
ドイツの保守系議員で外交政策に詳しいノルベルト・レトゲン(Norbert Roettgen)氏は日刊紙ビルト(Bild)に、「マクロン氏は完全に正気を失っているようだ」と語った。
■過去にも失言
仏大統領府(エリゼ宮、Elysee Palace)は11日、火消しに追われた。
側近の一人は「マクロン大統領はフランスの立ち位置について、米国との距離と中国との距離は同じではないとたびたび発言している。米国は同盟国であり、価値観を共有している」と述べた。
ただ、専門家に言わせれば、マクロン氏は過去にも失言している。2019年には、北大西洋条約機構(NATO)は「脳死」状態だと発言。昨年にはウクライナ侵攻の外交的な解決に向け、「ロシアに屈辱を与えてはならない」と語り、同盟諸国の反発を招いた。
仏紙ルモンド(Le Monde)は11日、「誤解は一度なら釈明できる」「しかし、繰り返されるなら外交政策の進め方に問題がある」と批判した。(c)AFP/Adam PLOWRIGHT