【4月8日 AFP】ウクライナでの戦争が続いている中、ロシアとベラルーシの選手の出場を認めるかどうかについては、各国際競技連盟がそれぞれ異なる立場を取っている。

 国際オリンピック委員会(IOC)は、来年のパリ五輪におけるロシア勢の参加可否はまだ決めていないとしつつ、前週には両国の競技復帰を勧告。この姿勢は、各連盟からさまざまな受け止められ方をしている。

 ここでは、主要競技が現在の状況にどのように対応しているのかを紹介する。

■陸上

 IOCの勧告に先立ち、五輪の2大競技の一つである陸上は、ロシアとベラルーシの選手の出場停止処分を継続する方針を表明し、大きな注目を浴びた。ワールドアスレティックス(World Athletics、世界陸連)のセバスチャン・コー(Sebastian Coe)会長は、世界各国が両国に科している「前例のない制裁」が、「ロシアの現在の意図を混乱かつ無効化させる唯一の平和的な方法に思える」と述べている。

■水泳

 五輪のもう一つの花形競技である水泳は、陸上とは異なる方向性を示している。国際統括団体のワールドアクアティクス(World Aquatics、世界水連)は、5日にIOCの勧告を受け入れた。しかしながら、ロシアとベラルーシの復帰を模索する作業部会の報告は7月になるため、同月に福岡で開催される世界水泳選手権(20th World Aquatics Championships)への両国選手の出場が確約されたわけではない。

■テニス

 ロシアとベラルーシの選手は、男子プロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が主催するツアーへの出場は認められているものの、国旗や国名は使用できず、男子の国別対抗戦デビスカップ(Davis Cup)と女子の国別対抗戦ビリー・ジーン・キング・カップ(Billie Jean King Cup)への参加は禁止されている。一方、2022年は出られなかったウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)には今年は出場できることになり、ウクライナの選手からは怒りの声が上がっている。