【4月5日 AFP】米医薬品大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は4日、タルク配合のベビーパウダーの発がん性をめぐる集団訴訟について、原告団に25年かけて89億ドル(約1兆2000億円)を支払う和解案を提示した。

 同案が裁判所と原告団の過半数に認められれば、米国製品が関わる損害賠償としては、たばこ会社やオピオイド系鎮痛剤の製造企業を相手取ったものなどと並ぶ最大級の賠償規模となる。

 J&Jはこれまで、ごく微量のアスベストが含まれたタルク入りパウダーで卵巣がんになったとする訴訟を数千件抱えてきた。

 同社は一貫して非を認めていないが、米国とカナダでは2020年5月からタルク入りベビーパウダーの販売を中止した。

 同社は今回の和解案について「過ちを認めるものではなく、弊社がこれまでとってきたタルク粉製品は安全であるという立場を変えたということでもない」と強調した一方で、「本件をできる限り早く効率的に解決することが弊社と全ての関係者にとって最善と考える」と説明した。(c)AFP