【4月5日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン(Emmanuel Macron)大統領が5日、中国訪問を開始した。ロシアのウクライナ侵攻に対する中国の支援をけん制するとともに、極めて重要な貿易相手国である中国との関係を強化する狙いがある。

 マクロン氏は3日間の日程で訪中。6日には、習近平(Xi Jinping)国家主席との会談が予定されている。

 これに先立ち北京で在中フランス人らとの会合に臨んだマクロン氏は、ウクライナにおける和平の道を見いだしていく上で中国には「大きな役割」があると述べ、ウクライナの「平和と安定に向けた共通の責任」を果たしていくため中国との連携を図っていく考えを示した。

 マクロン氏の訪中を前に大統領府高官が報道陣に明かしたところによると、同氏は習氏との会談で、ウクライナ情勢をめぐり毅然(きぜん)とした態度で臨む一方で、米国のように真っ向から対立する姿勢ではなく「別の道」を提示するという。

 マクロン氏はまた、欧中間の貿易関係の維持と再均衡のほか、アジア太平洋地域におけるフランスの国益の保障を重点に協議する。同域に海外領土や軍事基地を持つフランスは、同域への関与を強調している。

 米ホワイトハウス(White House)によると、マクロン氏は訪中前日にジョー・バイデン(Joe Biden)大統領と電話で会談し、訪中とウクライナ支援について協議した。

 仏外交筋によると、両首脳は中国に協力を仰ぐことで、より早く紛争の打開策を見つけたい考えで一致したとされる。

 マクロン氏は6日、習主席をはじめ政府高官と会談。夜には夕食会に出席する。翌7日には政治家や実業家、著名人から成る視察団と共に南部の広州(Guangzhou)を訪れ、現地の学生とも面会する予定。(c)AFP