【4月5日 AFP】トルコで2月に発生した大地震の被災地で略奪行為を働いたとして逮捕された容疑者が、治安当局から拷問されているとの人権団体による報告書が5日、公表された。

 報告書は、アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)とヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)が共同でまとめた。

 拷問や虐待を受けたとされる12人と面談したほか、34人の男性が被害を受けた13件の虐待に関する動画を調べた。うち4件の被害者はシリア難民で、外国人嫌悪に基づく兆候が認められた。拷問を受けた1人が拘束中に死亡したという。

 両団体は、レジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領が地震発生後に出した非常事態宣言を警察と軍が「拷問の許可」と見なしていると非難。司法省について、拷問は「一切容認しない」としながら、調査結果を事実無根と一蹴したとしている。

 HRWのトルコ代表、エマ・シンクレアウェブ(Emma Sinclair-Webb)氏は、今回調査した13件は「氷山の一角」にすぎないと指摘している。

「(被災地で)窃盗や略奪などが行われていたことは認めざるを得ない」とした上で、「だが、その問題に対処するために、あってはならない手段に訴えるべきではなく、拘束中に死者まで出ている」と非難した。(c)AFP/Joris FIORITI