中国で「墓参り大渋滞」の懸念 コロナ明け初の清明節
このニュースをシェア
【4月4日 東方新報】中国のお墓参りシーズンである清明節(今年は4月5日)は3年ぶりの大混雑になりそうだ。混乱を避けるため、各地ではコロナ禍で広がったオンライン墓参や代理墓参のサービスを継続するなど渋滞緩和に務めている。
住民サービスの担当部署である北京市民政局は公式ホームページ上に「北京2023清明節オンライン追悼サービス」という特設コーナーを開設した。3月18日から4月9日までの期間中、特設コーナーでは、故人へのお悔やみを書き込めるほか、バーチャル献花などもできる。代理墓参サービスを申し込めば、現地に行かなくても無料でスタッフが墓石を磨いてくれるほか、追加料金を支払えば献花などもしてもらえる。
さらに「どうしても現地でお参りする必要がある方」には、SNSをフォローして交通渋滞などの情報を入手するよう注意している。行政当局がここまで準備するにはそれなりの理由があるようだ。
コロナ前、中国では年々、清明節の墓参は派手になっていたといわれる。中国の墓参は、日本と同じように墓石を磨き、故人が生前好んだ食べ物やお酒などをそなえるほか、死後の世界で不自由しないようにと紙でできたおカネ「紙銭」を燃やして送る習慣がある。
これも伝統なのだが、それも大規模になればトラブルになる。郊外の墓地に親類が集まって、大量の爆竹を鳴らし、紙銭や線香、ろうそくなどを燃やすため、毎年のように山火事が発生するのだ。北京市など多くの都市では、紙銭や線香、ろうそくに火を付ける行為は禁止されてはいるが、あまり守られていないようである。
墓参が派手になっただけでなく、お墓の値段も高騰している。北京市や上海市、広東省(Guangdong)などの大都市では、墓地は安いもので1区画10万元(194万円)以上。人気物件は100万元(約1939万円)以上というから地方都市の住宅以上の値段だ。
中国では一族ではなく、夫婦や個人で1区画を使用することが多い。そもそも墓地不足になりやすい状況だ。このため大都市住民が専用の墓地ではなく地方都市に比較的安いマンションを購入し、そこに親類中の遺灰や祭壇を集めて、私設墓地にするケースも続出している。これは法律上の問題はないが、気味悪がった近隣住民とのトラブルに発展することも多いという。
清明節を前に、福建省(Fujian)福州市(Fuzho)では、若い男性が近隣住民の許可を得ず、父親の遺灰を海にまき、漁船からの通報で警察に拘束される事件が起きた。中国のネット上では「墓地が買えなかったのだろう」「散骨の手続きをしなかっただけ」などと男性への同情論も多い。中国政府は、墓地不足や環境配慮から海上散骨や樹木葬などの自然葬に助成金を出すなどして奨励している。男性の散骨も、正しい手続きを踏んでいれば奨励される行為だったはずである。
野山に春風が吹き、空気が爽やかになる清明節。形にはこだわらず、静かに故人を追悼したいと考える人が増えれば、墓参の大渋滞もなくなるはずなのだが…。(c)東方新報/AFPBB News