【4月4日 CNS】中国東北部の吉林省(Jilin)は中国で有名な自動車製造省である。中でも、ロシアや北朝鮮と国境を接する「北東アジアへのゲートウェイ」の琿春市(Hunchun)は、ロシアへの完成車の輸出量で過去最高記録をし続け、吉林省の対外貿易における新たなスポットとなっている。

 琿春総合保税区管理局の呉波(Wu Bo)副局長は、「ロシア向け完成車輸出事業を開始して以来、自動車輸出台数は順調に伸びている」と語った。

 琿春市のある吉林省延辺朝鮮族自治州(Yanbian Korean Autonomous Prefecture)は、中国と北東アジア諸国との交流の最前線だ。中国の巨大経済圏構想「一帯一路(Belt and Road)」が提案されてから10年。延辺は古い産業基盤を世界とより良く結びつけるよう推進してきた。

 琿春総合保税区は、吉林省に二つしかない総合保税区の一つだ。総合保税区の車両輸出事業は、乗用車、トラック、バス、コンクリートミキサー車などを対象としている。

 琿春総合保税区の自動車事業は開始時期こそ遅かったが急速に成長し、現在、自動車の輸出取引量は保税区全体の約50%を占めている。陸、海、空の物流チャンネルの構築を通じて、延辺州は吉林省、さらには中国東北部の重要な国際輸送流通センターになった。

 中国と欧州を結ぶ国際貨物列車「中欧班列(長春<Changchun>-琿春-ヨーロッパ)」など国内貿易および外国貨物ルートの建設は進み、貿易量は着実に増加している。

 統計によると、2013年から2022年まで、延辺の対外貿易の輸出入総額は1527億元(約2兆9618億円)に達した。2022年の対外貿易の輸出入総額は前年比75.4%増の267億元(約5178億円)となり、2013年以来の最高値を更新した。

 また近年、中国で総菜の人気が高まるにつれ、延辺の水産加工業は新たな発展の機会を迎えている。冷凍シーフードの加工、保管、輸送に焦点を当てた多くの地元企業のいくつかは年間生産額が1億元(約19億円)を超えている。(c)CNS/JCM/AFPBB News