旧暦2月2日「龍擡頭」、これはどこから来たのか
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【3月7日 CNS】旧暦2月2日「龍擡頭(龍が頭をもたげるの意)」は、賑やかな元宵節(旧暦1月15日)の後にやってくる祝日だ。
これは伝統的な祝日で、農業上でも重要な象徴的意味がある。大地の春の訪れとともに、万物が活力にあふれ、春の農耕が順調に始まることを意味する。対外経済貿易大学(University of International Business and Economics)中文学院の趙運濤(Zhao Yuntao)先生によれば、「龍擡頭」の由来は自然現象と関係があり、関連するさまざまな習俗があり、龍舞、社戯(民間の宗教や風俗に関する芸能活動)、そして各種のお祭りが行われる。
「龍擡頭」は重要な伝統的な祭りで、自然現象崇拝から起こったとする説もあり、古代の人びとの星の運行に対する理解や農耕文化と関連があるとされている。
なぜ人びとがこの日に食べ物を「龍」と関連付けるのか?趙運濤先生によれば、これは実際に「龍」を呼び起こすことを意味しており、口から「龍」という言葉を繰り返し唱えることで、龍が目覚め、雨を降らせるなど一年の仕事を始めるとされている。
北京っ子たちは、「龍擡頭」には春餅(小麦粉をこねて丸く薄く伸ばして焼いたもの)を食べなければならず、これは「龍鱗(龍のうろこ)を食べる」と呼ばれている。また、麺を食べることは「龍須(龍のヒゲ)を食べる」といわれ、水餃子を食べることは「龍耳(龍の耳)を食べる」、ワンタンを食べることは「龍眼(龍の目)を食べる」と言われている。
「龍擡頭」の日には、人びとは草木灰(草木を焼いてできた灰)を取って庭から家の中にまいて、水がめを囲んで一周する。これは「引龍過(龍を引き寄せる)」と呼ばれ、龍を家の水がめに引き寄せることで、水不足にならず、家庭が平和で繁栄することを願うという意味が込められている。
毎年の旧暦2月2日には、人びとは庭や野菜畑などに草木灰をまいて、倉庫の形に描き、中にお金や穀物を入れて「打灰囤(灰をまいて作った蔵)」というものを作る。これには、新年が豊作で、財布も満ち足りるようにとの意味が込められている。
昔は、「旧暦2月2日」は一年の耕作開始の始まりであると考えられており、良い兆しを求めることが多かった。中国の南方では地元の神を祀る儀式は異なるが、同様の意味がある。
旧暦2月2日には子供たちは散髪する習慣がある。これを「喜頭」を剃るといい、龍擡頭の吉時にちなんで、子供たちの健やかな成長を祈ることとしていた。大人も髪を切り、新しい年を順調に過ごすことを祈るという。
趙運濤先生は、地域によって習俗に違いがあるものの、「旧暦2月2日」に天候に恵まれ、人びとの健康と平安を祈るという願いは共通していると指摘する。この祝日は、人びとが未来への美しい希望を託すものだという。(c)CNS/JCM/AFPBB News