【3月31日 CGTN Japanese】中国陝西省(Shaanxi)西安市(Xi'an)に住む高夢豪さん(24)は3月26日深夜、長時間迷い考えた末に、「父親」の名前で同じ西安の見知らぬ携帯番号にこんなショートメールを返しました。

「大丈夫だ、我が子よ。誰だって、いつまでも順風満帆でいられるわけはない。うちの子が最高だと信じている。お父さんも君に会いたい……」

 高さんは3月26日の午後2時頃、見知らぬ番号からメールを受け取りました。「お父さん、大学院に落ちた。今日出た合格発表に僕の名前がなかった。二次試験に入れなかった……本当に、もう1年頑張って試験を受けたい。お父さんなら私のことをよく知ってるよね。私にはできるんだ。お父さんに会いたい。夢に出てきてちょうだい。お父さんに会いたい……」

 高さんは昨年4月に仕事で西安に赴任しました。今使っている携帯電話の番号は昨年7月に西安で購入したものです。高さんは、この番号は相手の父親が生前使っていた番号かもしれないと推測しました。

 高さんは、自分はまだ若くて結婚もしておらず、父親になったこともありませんが、父親に思いを打ち明けるこのメールを見て、思わず胸が痛くなったということです。この見知らぬ「子ども」のために力になってあげたい、彼(彼女)が自信を取り戻し、この難関を乗り切るのを助けてあげたいと思いました。

 そして高さんは同日の午後11時頃、気持ちを整理してやり直すよう励ますメールを真剣につづり、相手の父親の名前で返信しました。

「ご返事ありがとうございます。頑張ります」。「お父さん」からの返信を受けて、相手はメールの中で、「涙ぐんだ」と伝えると共に感謝の言葉を述べ続けました。メールを送った理由について、父親は3年前に亡くなり、高さんが今使っている携帯電話の番号は父親が生前使っていた番号だと明かしました。

「不思議な縁だ。私からのメールで『子ども』の無念が晴れてくれるよう願う。私たちはもう互いを悩ますことはないと思う」と高さんは28日、記者の取材をやんわりと断りました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News