中国が設計・建造した世界最大級のシャトルタンカーが引き渡し
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【3月31日 CGTN Japanese】中国が設計し建造した世界最大級のシャトルタンカーが3月30日、中国船舶重工集団公司(CSIC)傘下の大連船舶重工集団有限公司(DSIC)で正式に引き渡されました。これは中国の造船所が中国の船主のために建造した初のスエズマックス(Suezmax)シャトルタンカーです。
このシャトルタンカーは、長さ279メートル、幅48メートルで、15万5000トンの原油を積んで海上を22000カイリ航行することができ、上海からドバイまで2往復することが可能です。
タンカーの名前は「NSパイオニア(NS PIONEER)」で、次世代の動力測位技術と原油の積み下ろしを担当するバウローディングシステム(海象の荒い地域でより安全に荷役するために船首部分で荷役を行う仕組み)を採用し、安定した位置制御機能と荷役の際のより高い安全性を備えているだけでなく、省エネ・排出削減を実現し、毎年7000トン近い二酸化炭素の排出削減が可能で、この基準に基づいて完成したシャトルタンカーとしては世界最大級です。
これについて、大連船舶重工集団有限公司(DSIC)の李吉明プロジェクトマネージャーは「石油は海上の浮体式タンカーから積み込み、港まで運んで下ろす。航海距離は12時間以内でとても短いものだ。荷揚げ後は再び油田に戻り、海上バスのように往復するシャトル作業を高頻度、短航程で行うので、シャトルタンカーと定義した」と説明しています。
シャトルタンカーは海上油田から陸上への石油輸送に特化した船型で、同レベルのトン数の通常のタンカーより船としての価値ははるかに高く、また機動性が高いことで知られています。シャトルタンカーの設計と建造は通常、海上油田の建設に合わせて行われ、タンカーに必要な機能は航行する海域や作業内容などに基づいて設計されます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News