【3月29日 AFP】台湾の蔡英文(Tsai Ing-wen)総統は29日、中米歴訪に出発した。これを受けて中国政府は、経由する米国に滞在中に蔡氏が米下院議長と会談した場合「対抗措置を取る」と言明した。

 蔡総統は、ニューヨークに立ち寄った後、外交関係の強化のためグアテマラとベリーズを訪問し、復路で米カリフォルニア州を訪れる。ケビン・マッカーシー(Kevin McCarthy)下院議長が先に、同州ロサンゼルスで蔡氏と面会すると明かしている。

 中国政府で台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室は、蔡、マッカーシー両氏によるいかなる会談にも「断固反対する」と警告し、強行されれば「断固たる対抗措置を取る」と述べた。

 弁公室の朱鳳蓮(Zhu Fenglian)報道官は、「(蔡氏が)マッカーシー下院議長に接触すれば、一つの中国の原則に著しく反し、中国の主権と領土の一体性を損ない、台湾海峡(Taiwan Strait)の平和と安定を損なう新たな挑発となる」と非難した。

 中米ではホンジュラスが今月、中国と国交を樹立。これにより台湾が外交関係を維持する国はグアテマラとベリーズを含む13か国となった。

 蔡総統は出発前に空港で報道陣に対し「われわれが世界を目指す決意が、外部圧力によって阻害されることはない。われわれは冷静で自信に満ちている。われわれは屈することもなければ、(他者を)挑発することもない」と強調した。

 一方、米政府高官は中国に対し、蔡総統が米国を経由することを侵略の「口実」にしてはならないとけん制した。(c)AFP/Amber WANG