【3月29日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は28日、国際スポーツから除外されているロシアとベラルーシの選手について、個人資格の中立選手として大会に復帰させるよう勧告した。一方で、2024年パリ五輪出場へ向けた判断の期限は設定しなかった。

 IOCのトーマス・バッハ(Thomas Bach)会長は、スイスのローザンヌ(Lausanne)で行われたIOC理事会の会合を終え、理事会が国際スポーツ連盟と国際スポーツイベントの主催者に対し、「ロシアかベラルーシのパスポート(旅券)を持つ選手は、個人資格の中立の選手としてのみ出場しなければならない」と求める勧告を出したことを明らかにした。

 他には、両国選手から成るチームについては「認められない」ことも全会一致で決まった。「戦争を積極的に支持している選手」や「ロシア軍やベラルーシ軍、もしくは国の治安当局と契約している選手」も参加できない。

 その一方でパリ五輪と、ミラノ(Milan)とコルティナダンペッツォ(Cortina d'Ampezzo)で開催される2026年冬季五輪の出場に関しては「適切な時期に、完全なIOCの裁量で、それまでの予選大会の結果にかかわらず判断する」と述べた。

 ウクライナは、ロシアとベラルーシの選手のパリ五輪への参加判断が「延期」されたことを歓迎。ワジム・フトツァイト(Vadym Goutzeit)青年スポーツ相はフェイスブック(Facebook)に「ロシアとベラルーシの選手の2024年五輪受け入れの判断が延期された。今後も協力して、Z愛国主義者が一人たりとも国際スポーツの会場に入り込まないよう、取り組んでいく」と投稿した。

 対してロシア側は、中立の立場での出場を強要することは「差別」にあたると主張。国営通信がロシア五輪委員会(ROC)のスタニスラフ・ポズドニャコフ(Stanislav Pozdnyakov)会長の言葉として、「今回発表された国際大会の復帰基準は受け入れがたい。国籍に基づく差別だ」と伝えた。(c)AFP/Coralie FEBVRE