【3月28日 AFP】中国が過去20年間にデフォルト(債務不履行)の懸念を抱えた開発途上国22か国に対し、計2400億ドル(約31兆4000億円)相当の救済融資を実施したことが、世界銀行(World Bank)などが27日に公表した報告書で明らかになった。

 報告書によると、資金の大半はスリランカやパキスタン、トルコなど「一帯一路(Belt and Road)」構想に関係する国々に融資された。2016〜21年に増加し、この間に融資の約80%が実施された。

 40ページに及ぶ報告書は、世銀や米国のハーバード・ケネディ・スクール(Harvard Kennedy School)、ウィリアム・アンド・メアリー大学(College of William and Mary in Virginia)の研究プロジェクト「エイドデータ(AidData)」などがまとめた。

 一帯一路に関係する国々は、インフレや利上げ、長期化した新型コロナウイルスの流行拡大により、債務支払い能力が低下した。

 報告書は、救済融資を受けた国々はローン返済の延長が可能になったほか、支払い能力を維持することができたとしている。

 中国の習近平(Xi Jinping)国家主席が10年前に打ち出した一帯一路構想について、中国は150か国以上が参画していると説明している。

 中国政府は、発展途上国を中心とした国々と友好的な通商関係を深化させるのが一帯一路の目的としている。だが、中国は巨額で不相応の融資を提供することで、低所得国に対して「債務のわな」を仕掛けているとの批判もある。(c)AFP