【3月28日 CGTN Japanese】中国南西部に位置する貴州省(Guizhou)黔東南(Qiandongnan)苗(ミャオ)族侗(トン)族自治州の台盤村で27日午後2時から、中国の村落バスケットボール大会である「村BA」の優勝決定戦が行われました。この試合の観戦には2万人もの人がつめかけました。試合は貴州省黔東南州代表チームが遵義市(Zunyi)代表チームを68対65で下して優勝を決めました。

 台盤村は黔東南ミャオ族トン族自治州の山奥にあります。2022年夏の第1回「美しい村」バスケットボールリーグ戦は自治州の準決勝がこの村で行われ、人口1200人未満のこの村はインターネットを通じて、たちまち中国全土に名をとどろかすことになりました。そして、このバスケットボールのリーグ戦は親しみを込めて「村BA」と呼ばれるようになりました。

 現地の少数民族は毎年の旧暦6月6日に「六月六日喫新節」(早稲の新米を賞味する祭り)を迎えます。地元の村人は農繁期が過ぎた後、豊作を祝うために様々なイベントを開催します。中でも盛り上がるイベントの一つがバスケットボールの試合です。試合のルールや選手資格の審査、競技場の雰囲気の盛り上げ方法などはすべて地元の人々が自ら決めます。バスケットボールは村人の共通した趣味です。村人は好んでバスケットウェアを着ますし、子供でもしっかりとしたプレーができます。スリッパを履いて子供を抱いている女性でさえ、とても正確なシュートができます。

 台盤村が属する台江県(Taijiang)は2020年に貧困から脱却しました。村を出れば10分で高速道路を利用でき、20分余りで高速鉄道に乗車できます。5Gネットワークも利用可能になりました。

 この村で昨夏に開催された「村BA」には198チームが出場して、中継のために初めてドローンによる空中撮影が取り入れられました。その斬新な映像により、山奥のバスケットボール試合は爆発的な人気を呼ぶことになりました。

 会場は空前の盛況で、近くの建物の屋根の上や山の斜面、はしごの上など、人が立てる場所であればファンは鈴なり状態になりました。数百キロ離れたところからわざわざ観戦に来て応援し、夜中まで楽しむ人も多くいます。半月余り続いた試合期間中に台盤村を訪れた人数は延べ50万人以上に達しました。バスケットボールの試合によって村のサービス産業が活性化して、出稼ぎに行っていた多くの若者が故郷に戻り、スポーツや観光事業に従事するようになりました。

 黔東南地区ではどのバスケットボールの競技会でも、16歳以下の少年チームや女子チームの試合が行われます。このような競技会があるからこそ、バスケットボールのファンが増え続けているとのことです。(c)CGTN Japanese/AFPBB News