【3月28日 CNS】現在、中国の一部の訓練機関は、整理収納師業界において「資格を取らなければ就業できない」という名目で、「就業が保証される」や「簡単に高収入を得られる」といった虚偽の誘惑による訓練の罠で、多くの苦情や紛争を引き起こしている。

 深セン市(Shenzhen)の女性の彭(Peng)さんによると、訓練機関の担当者は整理収納師業界が爆発的な盛り上がりを見せていると言い、1時間あたりの収入は300元(約5696円)から1000元(約1万8988円)になると主張していた。訓練機関での訓練を受け、資格取得後、就業先を紹介し、資格の等級が高ければ報酬が高くなるというものだ。「私は最も安い中級整理収納師コースに2980元(約5万6586円)を支払った。支払い後、訓練機関の先生は、自習のためにいくつかの動画を送ってきたが、そのほとんどはネット上で検索できるものだった。ライブ授業や対面授業は一切なかった」と、彭さんは語った。

 さらに、発行される資格証明書にも注意が必要だ。記者の聞き込みで、多くの訓練機関に連絡したところ、「労働部門認可」と称する資格証明書の発行者は、業界協会、海外組織など、様々であることが分かった。しかし、人力資源社会保障部(人社部)が発行した国家職業資格目録(2021年版)には、「整理収納師」に関する情報は見当らなかった。

 複数の苦情を受けた人びとは、訓練機関に仕事の招待を受けていないことを伝えると、代わりに「都市パートナープロジェクト」と呼ばれるものを売り込まれたと訴えている。団体注文を受けると、注文総額の50%の手数料が得られ、「1日に二つの注文を受けると、すぐに1万元(約18万9888円)そこそこの収入を得ることができる」というものだ。「資格を取得した後、パートナープロジェクトに参加するために、私は約2万3000元(約43万6742円)の『入会費』を支払った。後で何かおかしいと気づき、返金を要求したが、担当者はもう見つからなかった」と山西省(Shanxi)の女性の王(Wang)さんは語った。

 家政市場で、一部の訓練機関が「簡単に高収入を得られる」と約束することも尋常ではない。現在、一部の大都市の整理収納サービスの料金は、1時間あたり100元(約1898円)から200元(約3797円)までさまざまであり、整理収納師は通常、チームで作業を行い、コンサルタント、インテリアデザイナー、整理収納師などの専門家から構成される。上記の料金には、すべてのスタッフとサービス料が含まれている。

 企業データを収集している天眼査(Tianyancha)によると、現在、「収納」に関連する「存続している、営業中の」企業の数は4万社以上に上る。業界の専門家は、新しい職業である整理収納師はまだ成長段階にあり、「資格試験の混乱」によるこの職業のイメージと将来への悪影響を防ぐ必要があるとみている。(c)CNS-華西都市報/JCM/AFPBB News