【3月25日 AFP】ローマ教皇庁(バチカン)は24日、200年以上保管していたギリシャ・アテネのパルテノン神殿(Parthenon Temple)の破片3点を同国に返還した。ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(Pope Francis)は友好の証しだとしている。

 バチカンのブライアン・ファレル(Brian Farrell)司教は、アテネのアクロポリス博物館(Acropolis Museum)で行われた式典で、「バチカン美術館(Vatican Museums)に200年以上にわたって保管されていたパルテノン神殿の破片を贈るのは、バチカン側からギリシャの人々との友好と連帯を示す文化的・社会的な証しだ」と述べた。

 バチカン美術館のウェブサイトによると、大理石の破片3点にはそれぞれ、ギリシャ神話の馬車を引く馬の頭部、アテネ建設の記念行事に参加しているとみられる少年の頭部、半人半馬のケンタウロスとラピテス族の戦いを描いた神殿側面の男性の頭部が彫られている。

 パルテノン神殿は、紀元前5世紀にアテネの守護神である女神アテナ(Athena)を祭るためにアクロポリスに建てられた。1687年にベネチア共和国軍の攻撃で一部が損壊して略奪を受けた。神殿の破片は現在、さまざまな博物館に収蔵されている。(c)AFP