【3月24日 AFP】デンマークのエネルギー監督当局は23日、昨年爆発があったロシアから欧州へ天然ガスを供給するパイプライン「ノルドストリーム(Nord Stream)」付近で謎の物体が見つかった問題で、ロシア企業が主要株主となっている同パイプラインの操業会社に対し、物体引き揚げに協力するよう要請したと発表した。

 ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は今月先に、この物体が発見されたことを明らかにし、専門家の話では爆発物を起爆させるためのアンテナの可能性があると述べていた。

 デンマークのエネルギー監督当局は23日、ノルドストリーム2近くの海底で見つかった円筒形の物体の写真を公表。物体は高さ40センチ、直径10センチで、発煙浮信号の「可能性」があり、「直ちに安全上の懸念を引き起こすものではない」との見解を示した。

 その上で、「物体が何であるのかをより明確にするため、デンマーク当局は軍の協力を得て物体を引き揚げると決定した」と説明した。

 バルト海(Baltic Sea)を経由するこのパイプラインを所有・操業する企業の主要株主はロシアのエネルギー大手ガスプロム(Gazprom)で、ドイツやオランダ、フランスの企業も株式を保有している。デンマーク当局は、物体の引き揚げについてこの所有企業からの返答を待っているとしている。(c)AFP