【3月24日 AFP】ハンガリーのグヤーシュ・ゲルゲイ(Gergely Gulyas)首相府長官は23日、国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を出したロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領について、ハンガリーに入国しても逮捕しないと述べた。

 ICCは17日、ウクライナの子どもを違法な連れ去った戦争犯罪の疑いでプーチン氏に逮捕状を出した。

 グヤーシュ氏は記者会見で、ハンガリーはICC加盟国だが、国内でこの逮捕状に法的拘束力はないと主張。「ハンガリー法に基づけば、プーチン氏を逮捕できない。ICC規程はハンガリーでまだ公布されていないからだ」と語った。

 ハンガリーは1999年にICCの設立条約である国連(UN)の「ローマ規程(Rome Statute)」に署名し、オルバン・ビクトル(Viktor Orban)政権1期目の2001年に批准した。

 グヤーシュ氏は逮捕状について、「最善」の決定とはいえず、ウクライナ紛争を「和平に導くのではなく、むしろエスカレートさせる」ものだと語った。

 オルバン氏は、ウクライナへの武器供与と対ロシア制裁の強化に反対し、和平交渉を呼び掛けており、他の欧州連合(EU)加盟国から激しい批判を浴びている。(c)AFP