ハンガリー首相、ウクライナ軍事支援を拒否 「国益に反する」
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【3月26日 AFP】ハンガリーのオルバン・ビクトル(Viktor Orban)首相は25日、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領が欧州連合(EU)首脳会議で武器供与と対ロシア制裁の強化を求めたことについて、「国益に反する」として拒否する方針を示した。
ハンガリー政府のコバーチ・ゾルタン(Zoltan Kovacs)報道官は「ハンガリーはこの戦争に巻き込まれたくない。このため、ウクライナへの武器供与は認められない」と説明した。
ハンガリーはEUと北大西洋条約機構(NATO)の加盟国だが、オルバン氏は近年、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領と親密な関係を築いている。ハンガリーはロシアによるウクライナ侵攻開始以降、ウクライナ難民を50万人以上受け入れてきたが、ウクライナに対する軍事支援や自国経由での武器供与は拒んでいる。
オルバン氏は、ウクライナに武器を供与すれば、同国最西端ザカルパッチャ(Transcarpathia、英名:トランスカルパティア)州に住むハンガリー系少数民族に危険が及ぶと主張した。過去には、ハンガリーはロシア産の天然ガスと原油に依存しているため、禁輸は支持できないとも述べていた。
ゼレンスキー氏は24日のEU首脳会議で行ったオンライン演説で「ビクトル、(ウクライナ南東部の)マリウポリ(Mariupol)で何が起きているか知っているのか?」と呼び掛け、「誰の味方に付くのかはっきり決めるべきだ」と訴えていた。(c)AFP